■はじめに.「覚えよう」とせずに、「理解しよう」とするだけでOK☺
■1.冠詞の役割
■2.それぞれの冠詞の役割
■3.例文で確認しよう
■4.おまけ
■■はじめに■■
スペルはすっごくシンプルなのに、その使い方となると途端に???になってしまう方が多いのが、
『冠詞』と呼ばれる a / an / the ですよね?!
こうした冠詞は文脈に応じて使い分けることが多いので、「覚える」のではなく「それぞれの役割≒意味」を理解することが近道になります(*^^*)
構えず、気楽に読み進めていってくださいね♪
1.■■冠詞の役割■■
冠詞の役割って何なの?何で必要なの?という疑問をお持ちになったことはありませんか?
a, an, the のどれがどんな時に必要なのか=冠詞の役割についてハッキリさせ、スッキリ理解しちゃいましょう!
▶冠詞の役割
:『どんな「モノ」について話しているのか/(これから)話していくのか』、をはっきりさせるために他に多数ある「モノ」と区別する役割
▶冠詞の使われ方
:その役割を果たすために、区別するべき/したい「モノ」を表す名詞の前に付けて使われる
2.■■それぞれの冠詞の役割■■
厳密に確認すれば本では何ページも必要なほどのトピックです💦
が、あえて、きわめてシンプルに、基本的なことを、ここでは押さえて行きましょう!
⇒多数ある一般的なモノの内の一つ
:具体的ではない、一般的な名詞(モノ)を指す
※初めて触れる話題・モノに対して用いる。
:かつその名詞が数えられる「モノ(可算名詞)」で「その内の一つ」を指す
※日本語は、いちいち単数、複数を明言する言語ではないので、ここは英語との大きな違いで、注意が必要になりますね(>_<)
※a/anの使い分け詳細に関しては、こちらの記事をご参照ください。
⇒どの/なんの名詞(話し手と聞き手の間で共通認識し、特定できているモノ)
:具体的な/既に会話に出てきている、特定の名詞(モノ)を指す
※2回目以降話題として挙がるモノに対して用いる。
:その名詞は数えられる「モノ(可算名詞)」の単数の「モノ」でも複数の「モノ」でもどちらをも特定して指すことができる
例)
・帽子
①「日差しが強い日は、帽子をかぶりましょう。」
という標語を想定してみましょう。
→ここでの「帽子」=チームロゴや校章が入っている、とか、色や形など特定の条件が付いた『帽子』ではなく、一般的に言うところの『帽子』であれば何でも該当することになるので、 帽子=a hat/cap と表現されることになります。
ーーー
②「(あなたが)昨日かぶった帽子はどこにやったの?」
という母親から子どもへの問いかけを想定してみましょう。
→ここでの「帽子」=「昨日使った」、という条件によって『特定された帽子』ということになるので、 帽子=the hat/cap (you put on yesterday)と表現されることになります。
3.■■例文で確認しよう■■
例1)
■男の子:
Hey dad, I found a bike on a website yesterday.
(父さん、昨日ウェブで1台の自転車を見つけたんだ!)
▶ここでは、”a bike”=自転車という数ある中の、ある一台の自転車
※聞き手である父親には「一般的な自転車」と分かっても、男の子が念頭に置いている『特定の自転車』までは分かっていない段階なので、 “a bike”=とある一台の自転車。
■父親:
What does it look like?
(それはどんなものなの?=どんな見た目なの?)
■男の子:
It’s a mountain bike in shiny red and bright yellow!
(マウンテンバイクで光沢のある赤と明るい黄色なんだ!)
■父親:
Oh, I know the bike!
(おお!それ(≒その特定の配色の自転車)なら知ってるぞ!)
I thought it’s cool as well when I saw it on a website about a month ago.
(1か月ほど前にウェブで見かけて父さんもカッコいい自転車だなと思ったよ。)
▶ここでは、”the bike”=息子と父親との間で共通して認識し、特定できる自転車
※会話が進む中で、息子がどの/なんの自転車を意味しているのか、父親にも分かった時点で”the”が付くことになります。
例2)
■妻:
I have a craving for the cream puffs!!!
(あのシュークリームが無性に食べたいわ!!!)
▶”the cream puffs”=『あの』と付けて何やら特定の/具体的なシュークリームを指しているので、the が付されています。
■夫:
You mean, ●●’s ones?
●●(という店の)のシュークリームのこと?
■妻:
Yes!
(そうなのよ!)
Not just a cream puff, but the cram puff from ●●.
(どんなシュークリームでも1つあればいいんじゃなく、あの●●のシュークリームがいいのよ。)
▶”a cream puff“=一般的に言うところのシュークリームが一つ食べられればいい訳ではなく、”the cream puff“=●●という店の特定のシュークリームを食べたくて仕方がないので、a と theの使い分けがされることになります。
■夫:
I’ll get the ones for you tomorrow!
(明日買ってあげるよ!)
例3)
■ I want to watch a movie.
映画が見たいよ。
※a movie = 一本の映画(であれば何でも)
※どの映画であるか、ではなくとにかく映画を一本見たい、というニュアンス。
⇒映画のジャンルではなく、『一本』という本数に焦点が当たっている発言。
■ I want to watch movies.
映画が見たいよ。
※movies = (一般的に言うところの)映画(全般)
※どの映画であるか、ではなくとにかく映画なら何でも見たい、というニュアンス。
⇒映画のジャンルでもなく、本数でもなく、『映画全般』という分類に焦点が当たっている発言。
■ I want to watch the movie.
あの/その映画が見たいよ。
※the movie = あの/その特定の一本の映画
※ある特定の映画一本見たい、 というニュアンス。
⇒映画のジャンルやタイトル、出演俳優など、ある条件で特定される一本に焦点が当たっている発言。
■ I want to watch the movies.
あの/その映画が見たいよ。
※the movies = あの/その特定映画複数本
※ある特定の映画を複数見たい、 というニュアンス。
⇒映画のジャンルやタイトル、出演俳優など、ある条件で特定される複数に焦点が当たっている発言。
4.■■おまけの重要ポイント■■
●可算名詞:数えることのできる物質など具体的なモノを指す名詞。
※単数形(『一つ』)と複数形(『二つ以上』)の二つの形を持つ名詞。
例)apple/apples(リンゴ), egg/eggs(卵), desk/desks(机), ball/balls(ボール),
●不可算名詞:数えることが出来ない液体、概念など抽象的なモノを指す名詞。
※単数形、複数形の区別がない名詞。
例)
・beer(ビール), wine(ワイン), water(水), happiness(幸福), health(健康)
●theに関する例外
:固有名詞(モノの名前・名称)には、基本的にはthe は付さない。
※名前/名称(固有名詞)で表されるモノは、既に他のモノと区別され特定されていることになるので特定するためのtheを必要としない。
例)
・Sachiko(幸子)、John(ジョン)、Amazon(社名:アマゾン)、Jupiter(木星)
このように、英語は日本語と違い、「一つの」とか「複数の」といった意味を持つ単語を必ず使う、というルールを持っています。
(日本語では、普段我々はそうした言葉(一つの~)を発言することは非常に少ないですが(>_<))。
例)
【日本語】 ペンとってくれる?
【英語】 Could you pass me a pen/pens for me?
といった具合に、英語は、a pen や pens というように、一本のペンなのか、複数のペンなのか、ハッキリとさせる必要がある言語です。
一方、上記日本語では、一本のペンなのか、複数のペンなのか、ハッキリとさせなくとも成立する言語です。
こうした言語としての違いがあることを認識しておくだけでも、a/an や theの必要性に意識が向くようになると思います(*^^*)
英語では、冠詞を使うことによって、①相手に正確な情報を伝えて②スムーズにやり取りする、という事が意図され、重要とされていることが分かると、冠詞の使い分けが分かり易くなると思います☺
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